私は、量販店や駅ビルなどにあるような腕時計の修理を行う会社に勤めており、この話はまだ入社して間もない時期に起きた出来事です。 当時は、駅ビルの中にある商業施設内で仕事をしておりました。 お客様の年齢層も割と高めで、おじいちゃんやおばぁちゃんがよく修理相談でいらっしゃっておりました。 その日も、付き添いの方と一緒に来られたザ・淑女と言った感じのおばぁ様がお越しになり、時計が止まってしまって困っていると相談を受けていました。 修理以外にも電池交換もその場で行っていたので、少し時間を頂き、電池交換を試してみて、もし動くようなら様子を見るという事で預かることになりました。 電池交換を手早く済ませ、時計が動いたのを確認し、特に他に調子が悪そうな感じはなかったので、隣の待合スペースにいるお客様にお声がけをし、『特に今のところ問題は無さそうなので様子を見て頂けますか?もし、すぐ止まるようならまたご相談ください』と言ってお返しをしました。 お客様も大変喜んで頂き、その時に付き添い方から、私の対応の仕方がとても良く、笑顔も素敵で一目惚れしてしまったとお褒めの言葉を頂きました。 当時の私は基本的に、人と接する時には大袈裟なくらいの営業スマイルをして話を聞いていたので、恐らくはその対応方法に好感を持って頂けたのかなぁ?と思います。 この思い出は今も鮮明に覚えており、仕事をしていてよかったなと思える思い出になっています。