幼稚園で働いていたときのエピソードです。当時私は新卒で年中組の担任を受け持ち、毎日を慌ただしく過ごしていました。子どもたちもだんだんとクラスに馴染み始めた4月の終わり頃「端午の節句」について子どもたちに説明し「こいのぼり」を教えました。 子どもたちはなんとなく理解したようで、口々に「こいのぼり!つくりたい!」という声があがってきたので1人ずつ小さなこいのぼりを作る制作をすることにしました。 形を決めて切る日、色を塗る日、乾燥させる日、自分の名前をつける日、など何日かかけて作ったこいのぼりに子どもたちはみんなワクワクしていて「はやく飾りたいなあ」と言っていました。私も30人の子どもたちが作った可愛らしいこいのぼりを飾るのを楽しみにしていました。 そしてついに完成しクラスにはカラフルなこいのぼりが沢山飾られました。子どもたちは「みんな泳いでるみたい!」「○○くんのはお父さんのこいのぼりみたいに大きいね」などと話していると「☆☆組のこいのぼりはみんな仲良く泳いでいて家族みたいだよね」と言われ、少し感動していると、いつもしっかりしている男の子が「せんせい、つくってよかったね!のいこぼり!」と話しかけてきて、感動は飛んでいき大笑いしてしまいました。10年近く経ちますが未だにこいのぼりをみると「のいこぼり」といった男の子を鮮明に思い出します。